あなたはコードバンの革小物を購入するとき、その新しい美しさに喜びを感じると同時に「将来、このコードバンはどのように経年変化していくんだろう?」と思ったことはありませんか?
GANZO製コードバンの長財布を使い続けて12年が過ぎました。
僕がこのコードバンの長財布を購入したのは2014年のこと。

財布の価格の200倍が持ち主の年収になるという本やジンクスがあり、ためしてみようと、当時7万円したこの長財布を購入しました
あれから年月が経ちましたが、今も現役で使用しています。


この財布は、美しさを保ちながらもその経年変化によって独自の風合いをまとい、ますます魅力を増しています。
この記事ではコードバンの長財布の経年変化と、新品と比較した具体的な変化の様子や魅力について詳しく解説しました。
また、長く使い続けるためのケア方法についても触れています。



僕のおすすめNo.1は新喜皮革が鞣し、レーデルオガワがアニリン染めしたコードバンです
今お手持ちのコードバンやこれから購入予定の方々のコードバンが、世界で唯一無二のコードバンになるお手伝いができれば、コードバンに魅せられた僕の大きな喜びになります。
楽天でGANZOコードバン長財布を見てみる【コードバンの経年変化】新品と長い年月を経たコードバンの違い


コードバンの経年変化について、新品と12年ものコードバンの違いを5つのポイントに絞ってお伝えします。
- 外観
- 質感
- 香り
- 使用感
- 存在感
外観


10年以上の使用によるコードバンの外観の経年変化について
新品のコードバン長財布は、ブランドを問わず均一で光沢感のあり、質感も少し固めの仕上がりが特徴です。
特にアニリン染めの場合は表面は少し固めで、ややザラついた感じがします。
このザラつきは時間と共にツルツルに変化していきます。


一方10年以上使用したコードバン長財布は、柔らかくツルツルでギラギラしたツヤがあり、かつ質感もソフトになり、コラーゲン繊維もほぐれ非常に柔らかくなります。
下の動画は光沢と質感を撮影してみましたのでご覧ください。
注意)音声が出ます
これは一朝一夕で変化したものではなく、
長年の使用とともに、徐々に変化してきたものですが、
耐久性が高いので、時間をかけながらじっくり育てていけることがコードバンの魅力です。



ただ、ゆっくり変化していくのでタイムリーに変化を実感することはありませんでした
注意)音声が出ます


GANZOのコバの耐久性が凄い


GANZOのコバ処理は、美しさと仕上げの良さで高い評判を得ています。
実際に12年使ってみて、その耐久性には本当に満足しています。



実際のところGANZOのコバ処理は、他ブランドと比較しても頭ひとつ抜きでています
改めてGANZOのコバ処理の凄さを実感させられます。
下の画像をご覧ください。
下の新品と比較して確かに劣化はしていますが、剥がれたり、ちぎれたりしている部分はまったくありません。
まだまだ現役で使い続けられるレベルです。


市場には多くのブランドがありますが、自分自身の経験としてGANZOのコバ処理は他ブランドと比べて確実に優れていると考えています。
僕は長く革小物を使ってきましたが、コバ処理を観察するだけでその革小物の品質全体をある程度判断できるという信念があります。
コバ処理はブランドの技術力を表す指標になる
改めて感じるのは、GANZOのコバは美しさや仕上げの丁寧さだけでなく、耐久性も一級品であるということ。


GANZOのコバ処理の持つ耐久性と美しさは一朝一夕で完成されたものではなく、親会社であるAJIOKAが革製品を作り続けて100年以上の実績と経験、技術の集大成によるものだと言えます。
GANZOの公式サイトでコードバン長財布を見てみる

香り
新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めのコードバンは新品の場合、少しだけ香りがあります。
ただしあまり強い香りではありません。
新品でもほとんど香りがないので僕が使っている11年ものだと、まったく香りはありません。
コードバンの香りを楽しみたい人は、ホーウィン社のシェルコードバンをおすすめします。



同じコードバンでも新喜皮革とホーウィン社の香りは、強さも香り自体もまったく違います
僕のシェルコードバンのキーケースは使用してから2ヶ月が過ぎましたが、まだまだ強い香りを放っています。





僕の経験では半年〜1年くらいは香りを楽しむことができました


使用感
新品のコードバン長財布は、初めて手にする際にはそのカチッとした質感に驚くことでしょう。


アニリン染めのコードバンは、オイル仕上げに比べて含有するオイル量が少なめです。
オイルはコラーゲン繊維の奥まで浸透しておらず、中間くらいまでの浸透ですので
オイル仕上げのコードバンに比べて、少し固めに仕上がっているのです。



新品の場合は特に固く、シャープな質感を感じます
内装の牛革は購入直後はカード入れもスムーズとは言いにくいのですが、1ヶ月も使っているうちにアタリがついきてきて使いやすくなってきます。
コードバン自体は引っ張りやシワに対して非常に強く、表面はしっかりとした張りとコシを持っています。
しかし内装が牛革の場合は、コラーゲン繊維の構造上の理由でコードバンよりも劣化しやすい性質があり、
カードポケットや小銭入れのファスナーがついているためお札やカード、小銭の出し入れの機会が多く、さらに傷みやすい環境なのです。
12年もののコードバン長財布は内装と外装の経年変化に差が出始めているが、、
12年もののコードバン長財布の外装は経年変化とともに美しさやツヤを放ち続けます。そして柔らかさとしなやかさも増していきます。


しかし内装が牛革の場合、コードバンに比べて経年変化が早いことが多く、場合によっては劣化していくことがあります。
これは何度もお伝えしてますが、コードバンと牛革の繊維の構造上の違いによるもの。
僕の長財布も、内装のイタリア製ナッパCBという牛革が少し型崩れしてきています。





内装はカードや小銭、お札の出し入れが日常的にあるので劣化しやすい環境ではあります。特にカードの出し入れ時に負荷がかかります
上の画像のように確かに型崩れしていますが、僕の考えでは、外装がコードバンであるが故に型崩れが少ないのではないかという仮説を立てています。
つまり外装の型崩れしない耐久性が高いコードバンのおかげで、内装の牛革が守られて最小限の型崩れでおさまっているという仮説です。
あくまで仮説ですので、確証はありません。
しかし、外が強いと内が守られるのは革小物だけではないので、当たらずとも遠からずという印象を持っています。
実際に外装が繊維の密度が高いコードバンのお陰で、この長財布が12年以上に渡って愛着を持ち続けることができる逸品になっています。



コードバン長財布は高い耐久性のお陰で単なるアクセサリーを超えた
「かけがえのない相棒」としての価値を持つのです
【12年の経年変化】2014年に購入したGANZO製コードバンについて


2014年に購入したGANZO製コードバンについてお伝えします。
その前に知っておいていただきたいことがあります。
それは日本国内に流通しているコードバンは、大きく分けて3つの種類があるということです。
- 水染め(アニリン染め)
- オイル仕上げ
- 顔料染め(塗料染め)
この3つの中でも愛用者が多いのが水染め(アニリン染め)のコードバンで、僕の12年もののコードバン長財布が
これに相当します。
コードバンは年月と共に味わいと美しさが増していくことは、この記事をお読みくださってる方は
すでにご存知だと思います。
僕が2014年に購入した水染めコードバン長財布の特徴は以下のとおりです。
- 外装のコードバンは新喜皮革製で染色はレーデルオガワの水染(アニリン染め)
- 内装はナッパCBというイタリア製牛革
- GANZOと阪急のコラボ限定品だが外装のコードバンは定番品とまったく同じ
限定の阪急とのコラボ品なので内装がイタリア製ナッパCBという牛革で同じものはすでに販売してません
(定番品の内装は兵庫県姫路で鞣された牛ヌメ革)


しかし外装のコードバンは新喜皮革が鞣し、レーデルオガワの染色ですので、GANZOやキプリスで同じコードバンが入手可能です。
さらにコラボ品の内装のナッパCBはイタリア製のバケッタ製法で鞣された革ですので、オイル量が多いため写真のように焦茶色に変化し、一部黒ずんでくる特徴があります。


GANZO製の定番品の内装に使用されているのは兵庫県の姫路でタンニン鞣しされたものですので、
イタリア製の革に比べてエイジングがゆっくりで、かつ色もここまで茶色になりません。
しかし、美しくゆっくりとエイジングしてきますので、イタリアの革に比べて派手さはありませんが、ベージュ色から茶色に変化していきます。落ち着いた茶色になりますので、定番の姫路製タンニン鞣しの牛革も魅力的な革です。
下の二つ折り財布の内装の姫路製牛革は店舗で展示されているうちにエイジングが進み、うっすらと茶色に変化しています。


GANZOもキプリスも定番品は、新喜皮革が鞣したレーデルオガワのアニリン染め
GANZOの「コードバン」シリーズとキプリスの「オイルシェルコードバン」シリーズは、どちらも新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めで同じコードバンです。
注意)キプリスの「コードバン&ベジタブルタンニンレザー」シリーズだけは顔料染めコードバンなのでご注意ください。アニリン染めとは全く違う仕上げです
僕が所有しているのはGANZO製ですが、ブランドが違っても新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めなら同じエイジングをします。
下の画像はどちらもほぼ新品の左:ダークブラウンのGANZO製、右:ワインレッドのキプリス製です。




時間とともにあなただけのコードバンへ変化して魅力が深まる


アニリン染めのコードバンは、購入直後の状態だと少し固めでマットな色合いが特徴です。
下の新品のコードバンの画像をごらんください。


鈍い(にぶい)光沢はありますが、鏡面のようなツヤはありません。
この新品のコードバンが長い時間をかけて使い込むことで、12年ものコードバンのようなツヤと質感に徐々に変化していきます。



購入当時は経年変化のことなど、まったく考えておらず
こんなに変化するなど夢にも思ってませんでした
2014年に購入したコードバン長財布も時間と共に外観が変わり、鏡のようなツヤと個性のある色合いへと進化していきました。


光や空気中の酸素により染料が繊維から徐々に抜け、物理的な力が加わり、質感やツヤが変化していき
美しいコードバンに熟成されます。
経年変化の過程は持ち主の使い方、お手入れ、保存方法による影響が大きいので同じものは無く、まさに
唯一無二のものに育つのです。
このように時間と共に少しずつ持ち主によって違った個性を持ったコードバンができあがり、
世界で唯一無二、あなただけのコードバンになっていきます。



GANZOの直営店または公式サイトで購入すると、その製品の10%の金額を次回に値引きしてくれます


人生を共に生きる相棒


経年変化を楽しみながら唯一無二の存在になることができるコードバン長財布は、人生を共に生きる相棒です。
2015年に購入した僕のコードバン長財布も、初めの頃はシャープな外観と固い感触がありました。
しかし、今ではとんがった部分は消えて、丸くなり深みのある独特の質感と色味へと変化し、
加えて美しいツヤ感を放っています。



まるで人の成長のようです
このような経年変化を経て唯一無二の存在となるコードバン長財布は、
一つのものを大切に使いたい人にとって、かけがえのない逸品になります。
愛情をもって触れ、手入れをし、変化を楽しみながら人生を一緒に過ごすことができるのがコードバンの
最大の魅力なのです。



僕がこの世を去るまであと何年かわかりませんが、そのときには一緒に焼いてもらうように家族に伝えてあります
コードバンを長持ちさせる使用方法


コードバンの長財布を長持ちさせるためには、正しい保管方法が重要です。
まず、使用しないときは室内の照明や日光に当てないこと、風通しの良い場所に保管することです。
また、ときどき柔らかい布やメガネ拭きなどで乾拭きしてあげてください。
僕は不定期に乾燥やザラつきが無いか、チェックしてクリームを塗るなどしてケアしています。
コードバンを長持ちさせる1番よい方法は毎日手で触れてあげること


コードバンを長持ちさせるために最も大切なことは「毎日触れてあげること」です。
その理由は
- 手の脂がコードバンに浸透し、乾燥を防ぐことができる
- 触れる回数が多くなるとその人独特のクセがコードバンに形状記憶され、さらに愛着がわくことで気にかけるようになる
- 手の脂だけでは乾燥や栄養を与えきれないことがあるが、毎日触れていると劣化に気がつきやすい
このように、コードバンは毎日触れてあげることが最高のケアになり、結果として長持ちさせることができるのです。



毎日所有者の手に触れることが最高のケアだと考えています。


おすすめの日本製コードバンブランド




多くのレザーブランドが新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めのコードバンを使用して高品質な財布を制作しています。
今回の新旧コードバンはGANZO製ですが、高品質ながらリーズナブルな独自の魅力を持つおすすめのブランドも紹介します。
これらのブランドは、それぞれ異なる魅力と特徴を持ち、コードバン財布を選ぶ際にも一役買うことでしょう。
GANZO


GANZOは、創業100年以上の老舗レザーブランドAJIOKAの一部門であり、その品質は歴史に裏打ちされています。
GANZOのコードバン財布は、日本製の中でも特に高品質で、頭一つ抜けた存在です。
さらに、購入金額の10%が次回の購入時に値引きとして使用できるため、購入者にとって非常にコストパフォーマンスの高いブランドです。
最高品質で次回値引きがあるGANZO。
それがユーザーがリピーターとなる理由の一つです。


GANZOの製品は、その厳しいクオリティ管理と素材の選定により、非常に高い評価を受けています。特に、コードバンの光沢や触り心地は、他ブランドと一線を画していると言えるでしょう。また、デザインもシンプルでありながら洗練されており、ビジネスシーンでもプライベートシーンでも使いやすいアイテムが揃っています。
楽天でGANZOコードバン長財布を見てみるキプリス


キプリスは、リーズナブルでありながら高品質な革小物ブランドとして知られています。
大量仕入れやほぼ自社製造により、手頃な価格を実現しています。
キプリスのコードバン長財布は、多くの種類のコードバンがあります。
ここでは今回の記事でご紹介した外装が同じ新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めで、内装はイタリア製バケッタレザーを採用した長財布をご紹介します。


キプリスの製品は随所に施された工夫により、高品質な素材と丁寧な作りでありながらリーズナブルな価格に抑えられれいることが一番の魅力です。
また、キプリスはカスタマーサービスも充実しており、細かい要望にも応えてくれる点も魅力の一つです。
そして、ブランドのポリシーとして長く愛用できる製品作りを目指しており、アフターケアも充実しています。
コードバンと経年変化 Q&A
まとめ


この記事では、僕が12年間使い続けているコードバン長財布の経年変化について詳しくレビューしました。
新品の時の固さや質感は徐々に経年変化していき、12年間使い込むことで独特の味わいとツヤ、そして唯一無二の存在になりました。
この経年変化こそが、コードバンの最大の魅力と言えます。



コードバンは使い込むほどに経年変化していきます。そして持ち主も深い愛着を持つようになります
おすすめのコードバン財布ブランドについては、僕が所有する多くのコードバンを仕立てた革小物専門ブランドのGANZOとキプリスを紹介しました。
この2つのブランドは僕自身が購入し、使ってみて良かったと思うブランドです。
このふたつのブランドなら品質やデザインに間違いない製品を選びができるでしょう。
「コードバンと経年変化 Q&A」は、コードバンを購入予定がある方の参考になればと思い、僕自身の経験と
考えで回答しました。
長い時間をかけて経年変化したコードバンは単なる革小物ではなく、持ち主にとって特別の価値を持ち、長い年月を共に過ごしたパートナーのような存在になります。
経年変化を楽しみながら、自分だけの生涯の相棒探しの参考になれば嬉しく思います。
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