コードバンの財布を購入する時の基準に美しさ、日本製であること、高品質、コストパフォーマンスの良さなどがありますが、
それらがすべて揃っていれば最高だと思いませんか?
日本製のコードバン財布は多くのブランドから販売されていますが、
キプリスはその条件をすべて満たす日本のブランドです。

キプリスの魅力はMade in Japanへのこだわりと高い品質、コスパの良さです
僕はコードバンが大好きなコードバンマニアで、コードバンを使った革小物を10こ以上持っていますが
コードバンが好きすぎて、原皮を2枚所有しています(レザークラフトはまったくできませんが。)


そのコードバンマニアの僕がコスパ最強で、品質と価格、アフターケアなどのバランスが最も良いと感じているのがキプリスです。
キプリス製品をおすすめする人は、
- 日本製にこだわりがある
- 高品質でコスパが良い革小物がほしい
- 持つことで喜びを感じることができる魅力ある革小物が欲しい
- 品質がよければハイブランドなどのネームバリューにこだわりが無い
- 長く使える革小物が欲しい
- アフターサービスがしっかりしているブランドがいい
この記事は日本のトップブランドのひとつであり、Made in Japanに誇りを持ちつつ、高品質でコスパ最強の
キプリスの情報とキプリスのコードバンシリーズについて徹底的に深掘りしています。
今回この記事を書くため、お金、時間、手間暇をかけ、今の僕にできることすべてを使って情報収集しました。



12個のキプリス製品を購入し、直営店に8回取材、公式サイトにメールで質問して情報を集めました
この記事を読むことでキプリスのコードバンシリーズについて、今までのネットにはない情報を知ることができます。
「一生愛せる、本質的価値のあるものづくり」。
これがキプリスのブランドコンセプトです。
キプリスのコードバンシリーズは、Made in Japan、高品質、コスパ最強。
このコードバンシリーズのラインナップにあなたが望むコードバンが必ずあることでしょう。


※キプリスのコードバンシリーズは内装の刻印と公式サイト名が違う場合があり、混乱を避けるため各項目の表題のコードバンシリーズはすべて公式サイトの名称を表記しています。
【キプリス】 コードバンシリーズの7ラインナップ


キプリスが展開するコードバンシリーズは2024年4月現在で7つあります。
その7つのラインナップについて徹底解説していきたいと思います。
- ホーウィンシェルコードバン
- ナチュラルコレクション
- コードバン&ルーガショルダー
- オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザー
- コードバン&シラサギレザー
- コードバン&リンピッドカーフ
- コードバン&ベジタブルタンニンレザー
7つのラインナップの解説に入る前に、
キプリスのコードバンシリーズの名称の不統一についてお伝えします。
キプリスのコードバンシリーズの名称は「オイルシェルコードバン」、「コードバン」、
「シェルコードバン」の名称がありますが、公式サイト、刻印ともに完全に一致しておらず、
名称が違うのに同じ染色方法のコードバンだったり、
逆に同じ名称なのにアニリン染めだったり、顔料染めだったりしますので購入の際はご注意ください。
キプリス独自の呼び名と公式サイト、刻印の不一致については下の記事で詳しく解説しています。
【キプリスのコードバン財布】独自のネーミング&公式サイトの名称と刻印を完全ガイド!
7つのラインナップを表でまとめました
公式サイトのシリーズ名称 | 外装 | 内装 | ※1 | オールレザーエイジングの早さ ※2 | 価格 | |
(コードバン) | 外装(牛革) | 内装|||||
①ホーウィンシェルコードバン | ホーウィン社のシェルコードバン | ホーウィン社のシェルコードバン | 中 | 中 | かなり高い | |
②オイルシェルコードバンナチュラルコレクション | 新喜皮革✖️レーデルオガワの無染色コードバン | 新喜皮革✖️レーデルオガワの無染色コードバン | 早め | 早め | 高 | |
③オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザー | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | イタリア製牛革 ヴァケッタレザー | 早い | 早い | 中 | |
④コードバン&ルーガショルダー | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | ベルギー製牛革マズール社 ルーガショルダー | 中 | 少し遅め | 中 | |
⑤コードバン&シラサギレザー | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | 姫路産牛革のコンビ鞣し | 中 | 少し遅め | 少し リーズナブル | |
⑥コードバン&リンピッドカーフ | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | イタリア製牛革 アニリン仕上げ | 中 | 中 | 少し リーズナブル | |
⑦コードバン&ベジタブルタンニンレザー | 新喜皮革の 顔料染め | 欧州産牛革タンニン鞣し | エイジングしません | 早め | リーズナブル |
※1 オールレザーはレーヨンや合成皮革は使わずに、すべて革のみで仕立てられていることを指しますが、内装に牛革、豚革が採用されており、すべてがコードバンではありません。
※2 エイジングの早さは、染色された色により目立ち方が違いますので変化します。明るい色ほど早く、黒はほぼ変わりません。
レーヨン:天然由来の繊維で高級感があり、リーズナブルな価格。
シルクに似たしなやかさが特徴の繊維です。ただし、皮に比べて耐久性に乏しいのがデメリットです
合成皮革:天然の布地を下地にして表面を合成樹脂でコーティングした人造皮革。
汚れに強く、リーズナブルな価格で手入れが不要なのがメリット。レーヨンと同じく皮に比べて耐久性に乏しいのがデメリットで、数年で加水分解して傷んできます。
※レーヨン、合成皮革ともに財布の内装に使用される場合の耐久性は、使い方によりますが普通に使えば数年の耐久力はあります
おすすめはオールレザーの3ラインナップ
- ホーウィンシェルコードバン
- オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザー
- ナチュラルコードバンシリーズ
上記のオールレザーの3ラインナップは直営店の店長さんもおすすめされていましたが、
理由は
- 革の耐久性はレーヨンや合成皮革に比べて数段優れているので長持ちする
- オールレザーである3つのラインは他のラインナップよりもエイジングを楽しむことができる
- すべてが革ということに所有感を感じる
コードバンの魅力、革製品のエイジングを楽しみたいのならこの3つのラインナップがおすすめです。


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【キプリス】7つのコードバンを徹底解説&レビュー


ここからはキプリスが展開するコードバンシリーズ、7つのラインナップを徹底解説します。
なお、各ラインナップの価格帯は2024.1.1の価格です。
なお、キプリスのコードバンシリーズのラウンドファスナー財布でハニーセル構造※を採用しているのは、
ヴァケッタレザーのラウンドファスナー財布だけですので、ご注意ください。
※ハニーセル構造とは?
キプリスが意匠登録している非常に使いやすい内部構造のことで、カードを探す必要がなく、出しやすいので、
この使いやすさは一般的なポケット式をはるかに凌ぎます。


①ホーウィンシェルコードバン


外装、内装ともにホーウィン社製のシェルコードバンを贅沢に使用した、
キプリスのコードバンシリーズ最高峰のライン。
外装と内装をともにシェルコードバンで仕立てることは非常に高い技術が必要で、これができるのはレベルの高いキプリスの職人の中でもごく一部の職人だけなので、かなり高額になります。
そして、
各種コードバンの価格が上昇する中、ホーウィン社のシェルコードバンもまだまだ価格の上昇は続く可能性が高いとのことでした。
¥58,300(コンパクト札入れ)〜¥209,000(ラウンド長財布)
過去の記事でホーウィン社のシェルコードバンについて詳しく解説しています。
ホーウィン社シェルコードバン財布 10の魅力
※下の動画は店内の音がしますのでご注意ください。
※下の動画は店内の音がしますのでご注意ください。
動画のとおり、非常に光沢があり、独特の手触りがあります。
合わせて、香りも素晴らしいのがホーウィンシェルコードバンの魅力です。



新喜皮革のコードバンとはまったく違う魅力にあふれるのが
ホーウィン社のシェルコードバンです
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ご覧のとおり、オールレザーではありますが、100%ホーウィン社のシェルコードバンではありません。
内装の見えない部分は豚革を使うことでコストダウンしています。




GANZOのホーウィン社のシェルコードバン長財布と比べてみた
下の写真はGANZO製ホーウィン社のシェルコードバン長財布の内装です。
写真ではわかりにくいのですが、キプリスのシェルコードバンよりもシェルコードバンの使用量は少ないです。
内装がシェルコードバンだとわかるギリギリのすぐ下のところから牛ヌメ革になっています。
GANZOのシェルコードバン内装のカードポケット内はすべて牛ヌメ革です。




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同じホーウィン社のシェルコードバンでもGANZOとは刻印が違います
ホーウィンシェルコードバンのメリット、デメリット
- 長財布は他ブランドよりもシェルコードバンを多く使用し、通しマチ※で仕立てられてるため、圧倒的な重厚感がある
- ホーウィン社のシェルコードバン独特の質感と光沢
- シェルコードバンの品質はGANZOと同等
- 丁寧な縫製
※通しマチとは札入れに底があるマチのこと。対してササマチ(写真右)は平たい底がないマチのこと
- 日本製にこだわるキプリス、GANZO、ココマイスターの中でも、キプリスのホーウィンシェルコードバンの長財布は¥187,000でGANZOと全くおなじ価格
- キプリスだけでなく、ホーウィン社のシェルコードバンは特にキズに弱く、品切れしやすい
- 他のキプリスのコードバンと違い、独特のコバ処理なので好みが分かれる


ホーウィンシェルコードバンの長財布では、キプリスとGANZOは同価格の187,000円です。(2025年4月現在)
キプリスの直営店で実物に触れてみて、僕が所有する下の画像のGANZOのホーウィン社のシェルコードバン長財布と比べても、重さは同じ(キプリスの公式サイトでは160gになっています)にも関わらず重厚感ではキプリスに軍配が上がりました。


繰り返しになりますが、2025年4月現在、長財布はキプリスもGANZOも187,000円と同額なので、重厚感のある通しマチのキプリス製か、よりスマートなササマチのGANZO製か。
そこからは購入する方の好みということになります。
そこで最後に僕がホーウィン社のシェルコードバンをおすすめする方をお伝えします。
ホーウィンシェルコードバンをおすすめする人
- 国産コードバンではなくホーウィン社のシェルコードバンたまらなく欲しい人
- 非常にキズや水に弱いシェルコードバンなのでそれを承知の上で購入できる人
- ホーウィンシェルコードバン重厚感が好きな人はキプリス製、スマートさが良いのならGANZO製がベスト



明らかに国産コードバンとは違った魅力があるのがホーウィン社のシェルコードバンです。
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②オイルシェルコードバンナチュラルコレクション


外装、内装がともに新喜皮革✖️レーデルオガワの無染色コードバン。
染色がまったく施されていないのでかなり早くアメ色にエイジングします。
内装の目立たない部分に牛革を使用していますが、ほぼすべてがコードバンで仕立てられていて、
無染色のためキズもつきやすく、エイジングも早いのですが、キズも含めて自分だけの唯一の個性が得られるため、
最も使い込みがいのあるコードバンです。


¥26,400(ボックス小銭入れ)〜¥198,000(ラウンド長財布)
※下の動画は店内の音がしますので※下の動画は店内の音がしますのでご注意ください。



新喜皮革で半年かけて鞣されたあと、レーデルオガワで脂を加えてから、丁寧にグレージング加工されています
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オイルシェルコードバンナチュラルコレクションのメリット・デメリット
- 何よりも美しいアメ色に変化していくこと
- 比較的エイジングが早いので色の変化の過程が楽しめる
- 使い込むことで他のコードバンでは味わえない独特のツヤが出る
- 染色は鞣しの時のタンニンの色のみなので、キズもつきやすいが最も自分だけの唯一無二のコードバンになる


上の写真のように、直営店の展示品が照明でエイジングが始まり美しいアメ色になっています。
- 無染色でキズが目立ちやすいため、無傷のコードバンでないと製品化できないので入荷が不安定
- 内装までナチュラルコードバンを使用しているので高額になりやすい
- コードバン層が剥き出しのため、キズがつきやすく、スレが出たり、水にも弱い
- 外装、内装共に貴重なナチュラルコードバンのため、高額になりやすい
- なじむまでカードの出し入れがやりずらい
- ラウンドファスナー財布はハニーセル構造ではない
スレが出やすいナチュラルのコードバン
長年使い込むと確かに素晴らしい経年変化をしますが、コードバン層がむき出しのため、
スレが出ることがあります。
下の写真は8年使い込んだナチュラルの名刺入れです。青丸の部分にスレが出ています。




ただし、これも所有者の方が、長年使い込んだ結果で、人生を一緒に生きた証ですので、どうとらえるかは、
所有者次第です。



使い込むことで最も大きく変化していく様は、
ナチュラルコレクションの特徴です


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ナチュラルのラウンドファスナー財布も残念ながらハニーセル構造ではありませんので、ご注意ください。


オイルシェルコードバン ナチュラルコレクションをおすすめする人
- 無染色のコードバン独特の飴色や質感が好きな人
- 外装も内装もコードバン層がむき出しで最もキズや水に弱いので、それを納得して購入できる人



この飴色の魅力は染色では出せない美しさと質感です
③オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザー(バケッタレザー)


外装が新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め、内装がイタリア製タンニン鞣しのヴァケッタレザーのラインナップ。
キプリス製品の中で最も早くエイジングを楽しめるラインナップです。



ヴァケッタレザーはキプリス独自の呼び名で一般にはバケッタレザーと呼ばれます
下の写真は購入後2週間ほどで飴色に変わり始めたヴァケッタレザーの名刺入れ。


上のヴァケッタレザーが下のような濃い飴色に変わっていきます。




¥15,400(小銭入れつきパスケース)〜¥74,800(ラウンドファスナーハニーセル付き長財布)







写真は僕が購入したパスケースです。軽くて手触りが良く、
更なるエイジングが楽しみな逸品です





「Oil shellCordovan」と刻印されてますが、外装は新喜皮革✖️レーデルオガワの水染めコードバン(アニリン染め)です
長財布の内装すべてが美しい飴色になる
オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザーには、様々な財布の形体がありますが、
長財布が最も存在感があります。
直営店の展示品ヴァケッタレザーの長財布を見せてもらいました。











この長財布の大きなヴァケッタレザー全面が、美しい飴色にエイジングした場面を想像してみてください


オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザーのメリット・デメリット
- 外装は新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め、内装はイタリアのコンツェリア・オットチェント社のヴァケッタレザーでどちらも美しい経年変化を楽しめる
- 内装のヴァケッタレザーは見た目よりも柔らかく触り心地が良い
- ヴァケッタレザーはキプリスのコードバンシリーズの中で最もエイジングが早い
- ヴァケッタレザーのラインナップはすべてオールレザー
- コードバンシリーズで唯一、ラウンドファスナーにハニーセル構造を採用
- 内装のヴァケッタレザーは外装のコードバンと同じくキズや水に弱い
- エイジングが最速なので、色の変化を望まない人には向かない
- 内装のヴァケッタレザーはイタリア製で鞣しに時間やコストがかかるため他の牛革に比べて割高
ヴァケッタレザーは、確かにキズには弱いのですが、オイル分が多いので浅いキズなら指の腹でこするだけで、
ほぼ消すことができます。
ヴァケッタレザー(バケッタレザー)について


キプリスのヴァケッタレザーについてお伝えします。
- イタリアのConceria 800 S.P.A社が昔ながらの植物タンニンで時間をかけて鞣したフランス製の高級牛革
- 最もエイジングが早く、ナチュラルコードバンよりも早くアメ色になる
- 手触りは見た目よりも柔らかく、独特の手触りが心地よい



キプリスのヴァケッタレザーは、イタリアで植物タンニンを使ったバケッタ製法で1ヶ月以上かけて鞣された牛革のことです
キプリスの公式サイトにメールで確認したのですが、
キプリスが採用しているヴァケッタレザーはConceria 800 S.P.A社が手掛ける数種類の革の中から選ばれた「Lebron」と呼ばれる革です(キプリス公式サイトに確認ずみ)
「Lebron」は使うほどに手になじみ、独自のエイジングを経て個性を増すため、長年愛用される革へと成長します。


Conceria 800 S.P.A(コンツェリア・オットチェントS.P.A社)を見てみる
コンツェリア・オットチェント社のHPにある、キプリスが採用している「Lebron」のページを日本語に翻訳してご紹介します。


Lebronの貼っておきます。
Lebronのページは音楽が流れることがありますのでご注意ください。
コンツェリア・オットチェント社のLebronのページはこちら
コードバンシリーズではヴァケッタレザーのラインだけのハニーセル構造とは?


キプリスオリジナルのハニーセル構造は、
キプリスが意匠登録※している独自の構造で21個のカードポケットが装備されており、
非常に使いやすく、収納力があり、かつ、カードが見つけやすい構造です。


コードバンシリーズのラインナップでハニーセル構造が採用されているのは、
ヴァケッタレザーのラウンドファスナーだけですのでご注意ください。






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オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザーをおすすめする人
- ヴァケッタレザーのシボ感が好きな人
- 無染色の濃い飴色に魅力を感じる人
- イタリア製の革が好きな人
- コードバンでハニーセル構造の財布が欲しい人



僕個人の意見ですが
重厚感はGANZOのシェルコードバンを上回ると感じました
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④コードバン&ルーガショルダー




外装が新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め、内装はフランス産の高級な牛革の肩の部分を使ったルーガショルダーです。トラ模様が美しく、購入した時点でも美しいツヤがあり「革の宝石」とも呼ばれています。
下の写真は僕が購入したルーガショルダーの長財布ですが、光の当たり具合で色が変わります。




¥18,700(ボックス小銭入れ)〜¥64,900(ラウンドファスナー長財布)
キプリスのコードバン&ルーガショルダーの二つ折り財布には普通の二つ折り財布と、ベロ付きというタイプがあります。
ベロ付きという二つ折り財布は、小銭入れとカード入れの間にベロと呼ばれるカード入れが付いている財布のこと。
僕はルーガショルダーのトラ模様の美しさが大変気に入ってしまい、
長財布と、普通の二つ折り財布よりも多くトラ模様が楽しめるベロ付きの二つ折り財布を購入しました。



同じ柄が一つとして無い、トラ模様の美しさに惚れ込んでしまいました




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内装のルーガショルダーにも「Oil shellCordovan」と刻印されてますが、外装はヴァケッタレザーと同じ、新喜皮革✖️レーデルオガワの水染めコードバンです
コードバン&ルーガショルダーのメリット・デメリット
- 外装は新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め、内装はベルギーのタンナリー・マズール社が鞣したルーガショルダー
- コードバンシリーズでも比較的リーズナブルな価格
- 外装のコードバンも内装のルーガショルダーもタンニン鞣しなのでエイジングが楽しめる
- 内装のルーガショルダーのトラ模様は「革の宝石」と呼ばれるほどの美しさ
- ルーガショルダーのトラ模様は、天然の革の模様なので同じものはなく、唯一無二の存在
キプリスのコードバン&ルーガショルダーは、内装の艶やかさでは一番素晴らしい牛革です。
コードバンとの相性も良く、この存在感は持ち主だけが味わえる喜びです。


- ルーガショルダーはタンニン鞣しなのでエイジングするが、牛革なのでシワが出ることがある
- コストダウンのため、内装の一部にレーヨンが使われている
- 日本人は天然の革が持つトラ模様やシワ模様を避ける場合が多く、ルーガショルダーは好き嫌いが別れる
ルーガショルダーは比較的ゆっくりとエイジングしていきますが、購入時のパリッとした質感は少しずつ経年変化を起こします。
外装がルーガショルダーの場合、使い込んでくると牛革の特性としてコードバンには出ない小じわが出ます。




キプリスのコードバン&ルーガショルダーで1番のデメリットは、内装の見えない部分にレーヨンを採用していることです。
レーヨンは絹のような高級感のある合成繊維ですが、革に比べて耐久性に劣ります。
僕の考えでは、もう少し価格が上がっても、牛ヌメ革などを採用して欲しかったと思っています。
※下の動画では、少しですが自宅の環境音がします
「革の宝石」ルーガショルダー




ルーガショルダーはベルギーで唯一の鞣し会社である、タンナリー・マズール社で鞣された牛革で、
「革の宝石」と称えられるほど美しさがあります。
自然素材から抽出されたタンニンを使用して、通常の牛革よりも時間をかけて鞣しますが、
その工程の多くが企業秘密になっているミステリアスな革でもあります。
- ベルギー唯一タンナー、タンナリー・マズール社が鞣したフランス産の高級牛革
- 購入した時から美しいツヤがある
- 時間をかけたベジタブルタンニン鞣しによる美しい独特のエイジング
- 「革の宝石」と呼ばれる美しいトラ模様
- 鞣し、染色の技術の多くは企業秘密
- 見た目の高級感に対してリーズナブル
内装のルーガショルダーのシルバーの刻印について




内装のシルバーの刻印についてお伝えします。
キプリスのコードバンシリーズの内装の刻印は、革の性質によって違っています。
ルーガショルダーやシラサギレザーは刻印を入れた後に銀箔を載せています。




それによってこの美しい刻印にすることが可能なのですが、
ホーウィン社のシェルコードバンやコードバンナチュラル、ヴァケッタレザーはオイルが入り過ぎていて箔がのらないので刻印のままになっていますが、
銀箔がなくてもキプリスが思う各種の革に最適の刻印が内装に施されています。





キプリスの刻印は、内装の革の性質を考慮して、
その革に最も合う刻印をしています




コードバン&ルーガショルダーをおすすめする人
- ルーガショルダーのトラ模様が好きな人
- 購入時から光沢やツヤ感が欲しい人
- ヴァケッタレザーやナチュラルに比べて、ゆっくりエイジングして欲しい人



ルーガショルダーのトラ模様と
ツヤは見る人を魅了します
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⑤コードバン&シラサギレザー




外装のコードバンは新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めで、内装はキプリスで最も人気のシラサギレザー。
シラサギレザーの由来は別名「白鷺城」と呼ばれる姫路城からのネーミングです。
さらに、「シラサギレザー」はキプリス独自のネーミングで、一般には姫路レザーと呼ばれています。
姫路レザーは国内流通量の7割近くのシェアを誇り、姫路地域で平安時代から伝統的に生産されているのが「姫路レザー」です。
¥18,700(ボックス小銭入れ)〜¥64,900(ラウンドファスナー長財布)
下の写真は外装がシラサギレザー、内装がロウ引き加工された牛革です。
この水墨画のような柄の美しさが特徴です。
シラサギレザーはコンビネーション鞣し
シラサギレザーはコンビネーション(鞣し略してコンビ鞣し)と呼ばれる方法で鞣された牛革です。
基本的には“クローム鞣しとタンニン鞣しの2種類の鞣し方法が採用されています。



エイジングはタンニン鞣しに比べてかなりゆっくりです
クローム鞣しの特徴である耐熱性や発色性、タンニン鞣しの特徴であるコシ感やエイジングといった双方の特徴を併せ持ちます。
重要なのはクロムとタンニンの比率で、各社企業秘密の比率で鞣し加工を施しています。
キプリスで一番人気のシラサギレザーシリーズのラウンドファスナー


ハニーセル構造は、キプリスのいくつかのシリーズで採用されていますが、
どのシリーズも厚さの都合や、収納力があるラウンドファスナーだけに採用されています。
このサイトはコードバン専門ですが、
直営店で他の革でもハニーセル構造の素晴らしさを実感しました。
その中でもシラサギレザーは「キプリスといえばシラサギレザー」と言われるほどの人気ですので、
この記事でもシラサギレザーのラウンドファスナーをご紹介します
(ハニーセル構造のラウンドファスナーで一番の売れ筋です)


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コードバン&シラサギレザーをおすすめする人
- 水彩画のようなシラサギレザーの模様が好きな人
- ゆっくりエイジングする革が好きな人
- コードバンシリーズの中でも比較的リーズナブルなコードバンが欲しい人



シラサギレザーの質感と模様が素晴らしいです
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⑥コードバン&リンピッドカーフ






外装は新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めで、内装はイタリアで鞣されたアニリン仕上げのリンピッドカーフ(生後6ヶ月までの仔牛)を内装に使ったラインナップ。
この「コードバン&リンピッドカーフ」は、今後在庫が無くなり次第終了するラインナップですので、
2023.12月現在では、キーケースと小銭入れ付き二つ折り財布の2アイテムしか販売されていません。
※コードバンシリーズ以外のリンピッドカーフシリーズは継続販売されます。
¥16,500(キーケース)〜¥38,500(二つ折り財布)(2023.12月現在)
- 高い品質の割に価格がリーズナブル
- 外装のコードバンは新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めなのでエイジングが楽しめる
- 内装のリンピッドカーフは染料のみで仕上げるので、自然な毛穴や血管跡が残り、革の風合いが楽しめる
- 繊細な仕上げのため、シミになりやすく、色落ちしやすい
- 脂や水分が抜けやすいのである程度の手入れが必要
- リンピッドカーフを使ったコードバンシリーズは在庫が無くなり次第終了なので選択肢が少ない
コードバン&リンピッドカーフをおすすめする人
- リンピッドカーフのマットな質感が好きな人
- あまり大きな変化がなく、ゆっくりエイジングして欲しい人



コードバンシリーズのリンピッドカーフは、
ラインナップとして在庫が無くなり次第終了です
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⑦コードバン&ベジタブルタンニンレザー


外装が新喜皮革の顔料染めコードバンで、内装がヨーロッパ製の牛ヌメ革※です。
※ヌメ革とは植物に含まれるタンニン(シブ成分)で鞣した革で、自然な風合いとエイジングを楽しめます。
このシリーズのコードバンは新喜皮革の顔料染め(ランドセルと同じ染め方で塗料染めともいう)のため、他のコードバンとは違った特徴があります。
¥7,700(キーホルダー)〜¥40,700(通しマチ長財布)(2025.4月現在)





外装のコードバンは顔料染めのためエイジングしませんが、内装はヌメ革のためアメ色にエイジングします
下の写真は直営店に展示されているコードバン&ベジタブルタンニンレザーのラインナップです。
水染めやオイルコードバンに比べてコードバンの塗装にコストがかからないので価格が最もリーズナブルです。


では、以下にコードバン&ベジタブルタンニンレザーのメリット、デメリットをお伝えします。
- キプリスのコードバンシリーズのラインナップで最もリーズナブル
- 耐久性が高く、キズや水に強く、色落ちしない
- 手触りがツルツルしていて心地よい
- 牛革に比べてコラーゲン繊維の密度が高いコードバンなので型崩れしにくい
- 内装は欧州製ヌメ革なのでタンニンが空気や光であめ色になったり、ツヤが増す、革が柔らかくなるといったエイジングが楽しめる
下の動画は新喜皮革の100%子会社で「ジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャー」と言う新喜皮革のブランドの顔料染めコードバンです。
購入から約1年が過ぎました。
正直なところ他のコードバンよりも気を使わずに日常使いしてましたが、
この通り顔料染めはキズやシミ、ブク(コードバン繊維が水を吸って立ち上がり、水膨れになること)は、
ありません。
これは顔料染めである限り、どこのブランドで合ってもおなじです。



顔料染めにエイジングは期待できませんが、
耐久性が最もあり、このツヤ、触り心地が長持ちします
では、次にコードバン&ベジタブルタンニンレザーのデメリットをお伝えします。
- 外装のコードバンが顔料染め(塗料染め)のため、色の変化がなくエイジングを楽しめない
- 長く使い続けると経年変化ではなく、経年劣化が起こる
- 内装のヌメ革は水や油を吸収しやすく、キズもつき易いので汚れや水分がついたらすぐに拭きとること
1番のデメリットはエイジングしないこと。
コードバンの魅力の最大のものは、使い続けることで少しずつツヤが出てくるエイジングにあります。顔料染めは丈夫で、色の変化がないので、人によってはそれがデメリットにもなります。
コードバン&ベジタブルタンニンレザーをおすすめする人
- 購入時の色や質感が変化して欲しくない人
- アニリン染めやオイルコードバンよりも水や傷に強いので財布に気を使いたくない人
- 最もリーズナブルなので、牛革よりも強靭なコードバンであればそれで良いと言う人



コードバン&ベジタブルタンニンレザーは耐久力がある顔料染めコードバンを使った、最もリーズナブルなラインナップです
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キプリスはMade in Japan、高品質でコスパ最強のブランド


ここからは(株)モルフォが展開するブランド、キプリスについて深掘りしていきます。
キプリスはMade in Japan、高品質でコスパ最強のブランドです。
キプリスの強みはこれらの3つの条件が揃っていて、高品質なコードバンを安心して、
リーズナブルに購入することができることです。
キプリス製品が高品質でリーズナブルな価格にできるわけ






以下にキプリスの製品が高品質でリーズナブルな価格設定ができる理由をお伝えします。
キプリスの製品は多くの種類の革で製品を展開していて、1万円代〜20万円代までの価格帯がラインナップされてますが、どの製品も他ブランドよりリーズナブルな価格設定になっています
(ただし、ホーウィン社のシェルコードバンシリーズなど例外はあります)。



その理由についてキプリスに直接伺ってきましたのでお伝えします
- 企画、生産、販売までをほぼキプリスだけで行っている
- 内装のカードポケット、札入れの中をレーヨン[注釈1]、合成皮革[注釈2]や豚革を使用したり、ファスナーや目立たない部分で美観や機能性に問題ない範囲でコストカットを実施
- 他ブランドよりも一括で大量に仕入れることで原材料をコストダウンしている
- 多数の職人が働く大型工房をもつ


干場さんのキプリス工房潜入レポート!「職人歴53年」のトップマイスターも登場!
【キプリスサロンチャンネル#10】より引用



キプリスには日本に21人しかいない革小物の一級職人※のうち、
8人が在籍しています(2022年現在)
※一級職人とは 「鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)の1級の資格を持つ職人」のことで、
3級から1級まであります。中でも1級の取得は非常に困難で、
受験資格も「日本国内での鞄・ハンドバッグ・小物の製造実務経験が10年以上の者」となっています。


鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験の詳しい内容はこちら
では、
キプリスについて詳しく解説していきたいと思います。
キプリスとは?


- ブランドコンセプトは「一生愛せる、本質的価値のあるものづくり」
- すべて日本国内で製造されていて、Made in Japanへの徹底したこだわりがあるブランド
- 高品質なのに他ブランドよりもリーズナブルな価格設定
- 機能的で王道を行くデザイン
- 日本の伝統的な技法を使用し製品に活かしている
- 素材選びから製造、販売まで一貫してほぼキプリスで行っている(一部外注あり)
- 70%が手作業で製作されており、高価格帯では90%以上が手作業。
- 百貨店バイヤーズ賞を連続17回、トータルで18回受賞している高い信頼性を持つブランド
- 直営店では購入後にビフォアケアサービスを行ってくれる※
キプリスとは、ヘレナ、ノイインテレッセなどいくつもの革小物ブランドを展開する、
株式会社モルフォの最上級のメインブランドで、
1995年に設立されたキプリスと2000年に立ち上げたキプリス ウィメンズがあります。
ブランド名「キプリス」について
ブランド名の「キプリス」は中米・南米の熱帯雨林に生息する蝶から引用したもので、
社名モルフォはキプリスを含む80種ほどの大型蝶の属名です。
美しいモルフォ蝶の中で最も美しい蝶がキプリスモルフォ(学名:Morpho.cypris)という蝶です。





和名はキプリスモルフォ、学名はMorpho.cypris(ラテン語で表記します)といいます
百貨店バイヤーズ賞を連続17回、トータルで18回受賞
百貨店のバイヤーからの推薦が多かったブランドに授与される「百貨店バイヤーズ賞」。
キプリスは繊研新聞社(せんけんしんぶんしゃ)が主催するこの賞を2003年~2019年度連続受賞、直近では2022年と2023年も受賞し、トータル19回受賞しています。


全国の百貨店バイヤー(百貨店や高級品店などの小売業で商品の調達と品揃えを担当する職業)が推薦する、
優れたブランドや商品を、繊維・ファッション業界最大の新聞社の繊研新聞社が選考して発表している賞のこと
百貨店では多くのブランドを扱っているので、キプリスがこの賞を合計19回受賞しているということは、
それだけ百貨店バイヤーに信頼がありよく売れるブランドだということです。



キプリス製品は北海道から鹿児島までの主要な百貨店でも販売されています
日本の皮革技術を継承






※コードバンは牛革に比べて加工が難しいなどの理由でコードバンシリーズには菊寄せ、忍び縫い、風琴まちはありません。
キプリスは日本伝統の技術を継承することにも力を入れています。
菊寄せ、忍び縫い、風琴マチ。
これらの縫製技術は日本古来からの伝統技術で、多くのキプリス製品に採用されています。
そして、直営店の店長がおっしゃってましたが、キプリスは若手の職人の育成に積極的で、
次世代への技術の継承にも力を入れています。
初めてキプリス直営店で購入したコードバンがこのキーケース(色はワイン✖️ワイン)でした。




外装は新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めのダークブランウン、内装はルーガショルダー(フランス産の高級牛革をベルギーのタンナー(鞣し会社)が鞣した革)です。
「革のダイヤモンド」のコードバンと「革の宝石」のルガトーの最強コンビ。



表も内も美しく、とても気に入ってます。


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キプリスの歴史
キプリス創立以来の主な歴史は以下の通りです:
- 1995年: MORPHO社が設立され、キプリスブランドを立ち上げ
- 1996年: 関西地区では百貨店初となる大丸心斎橋店で製品が展開
- 1997年: カジュアルブランドS・coeur(エスクール)を立ち上げ
- 2000年: レディースとハンドバッグを中心としたブランドCYPRIS WOMEN(キプリス・ウィメン)を立ち上げ
- 2019年 大阪心斎橋大丸百貨店に直営店を開店
キプリスは伝統的な日本の文化、長い歴史によってつちかわれた高い技術レベルを持っています。
デザインや機能面でも、日本人の感覚を意識した作りが特徴です。



伝統的な技術を使いつつ、現代的なニーズに合わせたデザインや機能をとり入れてます


キプリス直営店で初めて購入した日は雨模様でしたので、スタッフさんが下の写真のように手に持っても雨に濡れないようにビニールを被せてくれました。
さすが大阪心斎橋の老舗の大丸百貨店に店舗を構えるブランドです。
気遣いもMade in Japanでした。


キプリスのデメリットとは?


デメリットというより、僕が思う改善してほしいところをお伝えします。
- 公式サイトの世界観、構成、デザインが他ブランドに比べて魅力がない
- 直営店が大阪の1店舗だけ
- メンバーシップのポイントで交換するグッズが少ない
1.公式サイトのデザインが他ブランドに比べて魅力がない




残念ながらキプリスの公式サイトは他の日本ブランドに比べると世界観やデザイン、構成が古く、見て楽しいという魅力に欠けます。
正直にいうと、製品の良さに公式サイトが追いついていません。
革小物は、憧れやストーリー性、所有することによって得られる満足感なども含めた部分が魅力でもあるのです。
是非とも、公式サイトから夢やストーリー性が感じられるデザインに改善して欲しいと思います。



革小物はお客様に実用性と同時に夢や所有感をもたらす部分が必要です
2.直営店が大阪の1店舗だけ








直営店が大阪心斎橋の大丸百貨店のみというのは、キプリスの商品を展開していくには寂しい限りです。
全国の百貨店で購入できるのがキプリスの強みですが、
失礼ながら百貨店のスタッフだけさんだと、キプリス製品や革全般に対する知識や経験があるか不安を感じます。



やはりキプリスに所属するスタッフさんの知識や経験があれば、
より安心して購入できます
僕は大阪に住んでいるので、知識と経験が豊富で親切な店長さんがいる直営店で購入することができますが、
革小物は本来、見て、触れて、感じてから購入するのがベスト。
そのときに知識と経験があるスタッフさんがいると、お客様は、より満足のいく商品を購入できることができます。



僕個人は百貨店だけでなく、キプリスのスタッフさんがいる百貨店以外の路面の実店舗もあれば良いと思っています
3.メンバーシップのポイントで交換するグッズが少ない






最後にメンバーシップのポイントで交換できる景品のバリエーションが非常に少ないと感じてます。
特に上の真ん中のレザーケアセットはキプリスの商品としてあるので、失礼ながら魅力を感じません。
メンバーシップのポイントでしか手に入らない非売品のキプリスオリジナルグッズの開発を是非ともお願いしたいところです。
ただし、メンバーシップのポイントで交換できるパイロット製革巻きのボールペンとシャープペンシルの機能を備えたペンは、さすがパイロット製で、非常に書きやすく、使いやすいペンです。
キプリスとGANZOのコードバンを徹底比較してみた




キプリスとGANZOのコードバン財布を比較してみました。
実際のところ、一万円以上の価格差があるので、何がどう違うのかを徹底検証しました。
GANZOについて詳しい記事はこちら
条件をできる限り合わせるため、
①コードバンはどちらも新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めコードバンで色はブラウン系
②財布の形は二つ折り財布を比較してみました。
- 価格
- コードバンの質と染色
- 縫製
- コバ処理
- 機能性
- 内装の見えない部分
結論からお伝えします
僕の考えでは、
全体としての繊細さはGANZO製が上回りますが、
コードバンの品質、縫製、コバ、機能性など、財布の品質を決める多くの要素はほぼ同等でした。
価格差が2万円以上あるので、この点を考慮するとやはりキプリスはコストパフォーマンスの点で最強です。
小銭入れ付き二つ折り財布の価格を比較します。(2025年4月現在)
ブランド | 価格 | 外装 | 内装 |
キプリス | 45,100円(税込) | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | ルーガショルダー |
キプリス | 46,200円(税込) | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | イタリア製ヴァケッタレザー |
キプリス | 40,700円(税込) | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | シラサギレザー(姫路レザー) |
GANZO | 67,100円(税込) | 新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染め | 国産牛ヌメ革 |




コードバンの質と染色、縫製、コバ処理の比較


コードバンの質と染色
写真の通り、キプリスとGANZOのコードバンの質と染色はまったく同等というのが僕の感想です。
基本的にコードバンの質は鞣しで決まりますが、
どちらのコードバンも新喜皮革で鞣し、レーデルオガワで染色された世界最高峰のコードバンです。
僕が見た限りではキプリスのコードバンと比較してみたら同等の品質に感じました。
新喜皮革での工場見学にいった時の経験やその時の職人さんのお話では、
鞣しが終わった後に、コードバン層の大きさや穴、キズがあるなどでの等級分けはしますが、
コードバンの表面の仕上がりで等級分けは行っていませんでした。



新喜皮革ではコードバン表面の美しさ、質感での等級分けは、行われてません
僕が調べて確認できた範囲では、
GANZOは製品化する前に、独自の基準でコードバンの品質の選別を行なっていますが、
キプリスも同等の高品質のコードバンですので、同じくらいの独自の基準で選別していると推測できます。
縫製とコバ処理


縫製はGANZOの方が繊細でしっかりした感じがします。
その理由は縫製のピッチ(縫い目の幅のこと)はほぼ同じですが、縫製するための穴はGANZOの方が小さいからです。
縫製の穴が小さいとタイトでカチッとした印象が強まりますので、見た目ではGANZOに軍配が上がります。




コバ処理は好みで分かれるでしょう。
どちらも裁断後に磨きをかけて顔料仕上げをしている、いわゆる「切り目本磨き」ですので、
双方とも高品質な革小物で採用されるコバ処理です。
GANZO製は平面的でカチッとした美しい仕上がりで、キプリスは丸く柔らかな印象です。



コバ処理は人それぞれの好みで分かれると思います
機能性


機能性に関してはどちらのブランドも考え抜かれていますが、GANZO製の方がカードが取りやすい工夫があり、一枚上のように思います。
ただし、この辺の加工には手間暇がかかるので、価格差が反映されているように思います。
内装の見えない部分




左のGANZOは内装の内側も牛革ですが、
キプリスのルーガショルダー二つ折り財布はコストカットのため内装の一部に豚革を採用してます。
この価格差と縫製、コバ処理、内装の違いなどを購入する人がどう捉えるかが一番大きなポイントです。
総合評価
今回は内装が違う二つ折り財布を比較してきましたが、
僕はキプリス製品10個、GANZO製品6つを所有しています。
それを持って
総合的にあらゆる角度からこの2つのブランドのコードバン製品を比較すると
細部の作りまで徹底的に突き詰めたら、GANZOに軍配が上がります。
しかし、価格差は数千円〜20,000円以上ありますので、キプリスは高い品質と最強のコストパフォーマンスを兼ね備えたブランドといえます


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キプリス製品の購入方法


キプリス製品4つの購入方法についてお伝えします。
直営店
直営店での購入が最もおすすめです。
理由は、
- 現物を見て、触れて、感じてから購入するかどうかの判断ができる
- キプリス製品や革に関して豊富な知識を持つ店長やスタッフが親切に対応してくれる
- 公式サイトでは品切れでも直営店には在庫がある場合が多々ある(事前に電話確認は必要です)
- 購入した製品にビフォアケアサービスを受けることができる
- キプリスメンバーシップに登録することができるので、1年間無償修理のサービスを受けられる
- キプリスのメンバーシップポイントが貯まる
- 大丸松坂屋カードを作れば実質値引きしてもらえる
キプリスは、職人技が光る上質なレザーグッズを提供するブランドです。
品質の良さにこだわっているため、質感や手触りなど、実際に製品を見て、触れて、感じることでその魅力を存分に体験できます。
直営店では幅広いアイテムを取り揃えた豊富なラインナップを確認することができます。



一番は実際に見て触れて感じることです。
直営店では、公式サイトで品切れの事態が発生していても、在庫があることが多く、これがお望みのコードバン購入のチャンスになります。
さらに限定商品や特別なカラーバリエーションを扱っているため、行くことができる方には直営店での購入をおすすめします。
直営店には二人のキプリス レザーケアマイスターが在籍していますので、美しい手捌きで購入後のビフォアケアサービスを施してくれます。
下の動画はレザーケアマイスターの資格を持った直営店の女性スタッフの手捌きです。
※ 革の種類によってはビフォアケアサービスができない、またはやってはいけない場合がありますので、必ず実施できるサービスではありません。
キプリスのケア用品をフルに使って手際よく、ビフォアケアサービスを施してくださいました。
キプリスのケアシリーズ

店長さんもレザーケアマイスターの資格をお持ちで、別の機会に購入した二つ折り財布を美しく仕上げてくださいました。
キプリスの製品はただのアイテムではなく、長く愛用できるパートナーです。
質の高さに自信をもつこのブランドは、顧客が安心して製品を選べるよう、最善のサービスを提供しています。




公式サイト


公式オンラインショップでは、最新のコレクションから人気のアイテムまで手に入れることができ、さまざまなサービスを受けることができます。
直営店に行けない方は公式サイトでの購入が2番目におすすめです。
その理由は、
- キプリスメンバーシップに無料で登録でき、1年間無償修理、キプリスポイントが貯まる
- 最新の製品を知ることができる
- キプリスに直接メールで質問ができる
購入後のアフターサービスも充実しており、購入日から1年間無償修理を保証するため、安心して長くご愛用いただけます。
万が一の際には、メールで相談窓口に連絡を取り、専門スタッフが丁寧に対応してくれます。
実際に僕がメールで質問してみましたが、ほぼ2日以内に返事をくれま。



この記事の執筆にあたって、直営店ではわからない突っ込んだ質問にも答えてくれました
外国企業に英語で質問しても、帰ってきたり、来なかったりしますが、キプリスはメールでの質問にも、ジャパンクオリティーで返してくれます。
電話やメールでの質問は「メンバーシップのご紹介」ページの一番下の欄にあります。


更にメンバーシップに登録することで、会員限定のセールやイベントの案内、新作情報の先行入手など、アウトレットの案内など、メンバーだけの特別なサービスが体験できるのも魅力です。
登録は無料で、オンラインショップのアカウント作成時に行えます。


楽天、Yahoo!ショッピングなどのECサイト
楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングでの購入も可能です。
おすすめは楽天市場。
Yahoo!ショッピングやAmazonでも購入できますが、品揃えがあまり良くありません(2024.1月)
その点、楽天市場にはキプリスの正規オンラインショップのノイジャパンが運営するページがありますので安心です(ただし、ここから購入してもキプリスメンバーシップには入れません)



コードバン自体がよく品切れする革なのですが、
Amazon、Yahoo!ショッピングはさらに品切れ状態をよく見かけます
これらのECサイトでは、それぞれのECサイトのポイントは実質の値引きになりますので価格的にはお得です。
どの購入方法にも利点と限界があり、自らのニーズに合ったショッピングが重要になります。
ECサイトを利用する場合は、獲得できるポイントを最大限活用しながらの購入がお得です。
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全国の百貨店
キプリス製品は、全国の百貨店での取り扱いもあり、全国どこからでもアクセスが可能です。
しかし、百貨店でキプリス製品を購入する際には、メンバーシップに登録できない、キプリスのポイントを貯めることができないなどの点が挙げられます。
購入日から1年間の無償修理サービスも直営店やオンラインショップで購入した場合にのみ適用されるため、こういったメリットを享受できない点があります。
百貨店のメリットはそれぞれの百貨店の会員に入会すると、次回に値引きがある場合が多いことと、直営店と同じように実際に自分で現物を確認してから購入できることですが、
直営店スタッフほどの革やキプリスに関する知識はなく、ビフォアケアサービスも行ってません。



直営店や公式サイトほどの品揃えや情報は期待できません
百貨店での購入は手軽さが売りですが、
長期的に見た場合は直販店や公式オンラインショップでの購入がおすすめです。


Q&A
- キプリスの製品はGANZOやココマイスターよりリーズナブルな価格ですが、品質が劣るのですか?
-
キプリス製品の価格帯によります。
1万円代の革小物ではさすがにGANZO、ココマイスターなど日本の高級ブランドに比べて質感や縫製、コバ処理で見劣りする部分はありますが、
高価格帯、特にコードバンシリーズにおいてはコードバンの品質、縫製、コバ処理、質感などにおいて著しく劣ることはありません。記事で解説した通り、キプリス製品がリーズナブルなのは、さまざまな工夫と企業努力の結果です。
- キプリスのコードバンでおすすめはどのシリーズですか?
-
おすすめのコードバンシリーズは、オールレザーで仕立てられているコードバンです。
所有感、満足感が最もあることと、レーヨンや合成皮革に比べて耐久性が高いのが理由です。
下記3つのシリーズがオールレザー(裏張り内装まで皮革をつかってること)です。
ただし、すべてコードバンではなく、内装の見えない部分に豚革を使用しています。
具体的なラインはオールレザーのコードバンライン- オイルシェルコードバン・ナチュラルコレクション
- ホーウィンシェルコードバン
- オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザー
となりますが、
僕個人が実際に確認した中では、内装がヴァケッタレザーが価格、革の魅力、質感などで最も魅力を感じました。 公式サイトでコードバン&ヴァケッタレザーを見る美しいヴァケッタレザーの質感 楽天で見てみる
- キプリスの「水染コードバン」は新喜皮革製ですか?
-
はい、新喜皮革で鞣した後、レーデルオガワが染色したアニリン染めです。
無染色のオイルシェルコードバン・ナチュラルコレクションも新喜皮革のコードバンを
レーデルオガワが仕上げています。 - 公式サイトや直営店で購入するともらえるポイントで値引きはありますか?
-
ポイントでの値引きはありませんが、非売品の革小物のプレゼントがもらえます。
- どこで購入するのが最もお得ですか?
-
一番のおすすめは大阪の大丸心斎橋店6階にあるキプリス直営店で購入することです。
何よりも、実物をご自身で見て、触れて、感じてから購入するかどうかを見極められることが大きいです。
それと、僕自身8回訪問しましたが、店長さんの知識や経験がすごい上、公式サイトで品切れ中の製品の入荷も多く、さすが直営店だと思いました。
キプリスポイントでの値引きはありませんが、事前に大丸松坂屋カードを作っておくとポイントが貯まり、次回に値引きされますので、実質、値引きと同じになります。
遠方で直営店で購入できない場合は、楽天、Yahoo!ショッピングなどで購入するとポイントが貯まりますが、楽天やYahoo!ショッピングからはキプリスの会員になれませんので、
ポイントは貯まりませんし1年間無償修理の特典もありませんが、楽天やYahoo!ショッピングのポイントが貯まるので、価格だけでみるとお得な購入方法です。1年間無償修理とキプリスのポイントが貯まるのはメンバーシップ会員だけです。メンバーシップ会員は、直営店か公式サイトからの購入した人だけが対象になります。
キプリスのメンバーシップを見てみる - 百貨店やECサイトで購入したキプリス製品も1年間無償修理の対象ですか?
-
対象外です。
- アウトレットセールはないのですか?
-
ノイジャパンというキプリスの関連会社の公式サイトでアウトレットセールをやっていますので、
ノイジャパンの公式サイトアウトレットセールを見てみる
ご参考にしてみてください。
まとめ


今回はキプリスのコードバンシリーズの7ラインナップに焦点を当てながらもキプリス製品の特徴や魅力、デメリットを書きました。
新喜皮革✖️レーデルオガワのコードバンは使い込むほどに増す味わいと耐久性で知られています。長期間にわたる使用を考えると、多少高額で合ってもその価値は十分にあると言えます。
キプリスはその魅力的なコードバンを最もリーズナブルな価格で提供してくれる正真正銘Made in Japanのブランドです。
下の画像はGANZO製ですが、外装のコードバンはキプリスも全く同じ新喜皮革が鞣し、レーデルオガワが染色した世界最高峰のコードバンですので同じエイジングをします。


この記事を通じて、
キプリスのコードバンシリーズが高品質でありながら「コスパ最強」との呼び声高い理由を十分に検証できたと確信しています。
Made in Japanにこだわるキプリスは、ブランドコンセプトに「一生愛せる、本質的価値のあるものづくり」を掲げていて、その理念は7ラインのコードバン製品各々に息づいています。



キプリスのコードバンは生涯の友として、いつもあなたのそばにてくれる存在になるでしょう
リーズナブルな価格でありながら、細部にわたる丁寧な作り、耐久性の高い素材選び、時間が経過するほどに深まるエイジングの美しさなど、キプリスのコードバンシリーズはその価値を長く享受することができます。
品質、価値、そして日本製への誇りを体現したキプリスのコードバンシリーズは、
コスパだけでなく、所有する喜びも感じさせてくれ、かつ、人生を一緒に歩いてくれる相棒であることも間違いありません。
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